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プロでなければ生きにくい世の中になってしまってしまった/人的資本経営はこの課題を解決する

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素人は、自分の会社の仕事をきっちりとこなせる存在です。その能力が高ければ、自分が所属する会社では、役職も高く、権限を持っていて、まわりも従ってくれるでしょう。一方、プロは、会社を越えて、名前で知られている存在です。その人個人の能力によって高く評価される特別の人として、受け止められています。

昨日のブログで、このように述べましたが、どちらも生き方の選択肢だと思います。そして、そのどちらも、努力を重ねなければ、その選択の中で、自分の価値を高めることはできません。ただ、終身雇用が幻想となってしまったいま、前者の選択は、とても脆弱で、不確実であることを考えておくべきです。

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結局のところ、前者(会社で出世すること)を選択するにしても、それは、後者(社会での存在感を高めること)を突き進んだ結果であると考えるのが、現実的ではないでしょうか。

私は、転職についてのご相談を請けることがあります。その方に、どんなキャリアをお持ちですか?と伺うと、何歳の時に係長になり、課長になり、部長になったと言うことを説明される方がいらっしゃいます。しかし、それはその会社にだけ通用するキャリアであり、転職先の会社では、何の意味も持ちません。

聞きたいことは、どのような仕事を通じて、どのようなスキルを身につけ、誰とつながり、どのような成果にいかなるカタチで貢献したかということです。つまり、社会に通用する価値を高めるために、どのような成長の機会を積み上げてきたかです。このような説明ができなければ、本人の価値を知ることはできません。

つまり、本人は、いかなる分野で「プロ=会社を越えて、社会的に高く評価される存在」なのかということです。キャリアを積むとは、こういう自分の人生の物語を綴ることです。「人的資本経営」とは、このようなキャリア観を持つ人たちを増やしていく経営と言えるのかもしれません。

かつて、高度経済成長の時代のように、会社が示す方向に従って努力すれば、業績も向上し、待遇も良くなっていく時代ではありません。ひとりひとりのプロとしての能力を高め、その総合力を活かすことが、会社の業績につながる時代です。だから、従業員の個性を活かし、その能力を高めていける機会や報酬体系、雇用制度といった環境を提供できる会社に優秀な人材が集まり、結果として、企業の成長を促します。

そんな会社から転職した人が、他社でも社会でも評価されるとすれば、それはその会社の「人的資本経営」の成果であり、優秀な人材を呼び込むきっかけにもなります。また、そういう会社は、その業界にあって、敬意を持ってみられるわけで、優秀な人材のハブとなって、その業界の価値を高める中心的な役割を果たすでしょう。そんな、社会的価値の高い自律的な人材を増やしてゆくことを目指す経営が、「人的資本経営」の本質ではないかと思います。

ただ、このような経営のあり方を自分のキャリアに活かすためには、従業員も、同じベクトルを持たなくてはなりません。自分という個人に時間やお金を、自らが積極的に投資しなくては、この機会を活かせません。会社に与えられる機会だけではなく、これをきっかけに、自律的な成長の機会を自ら切り拓いてこそ、「人的資本経営」を自分の成長につなげることができます。この相互関係を築くことが、プロとしての、自分の社会的な価値の向上につながり、結果として、会社の業績にも貢献できるのです。

会社に期待するのではなく、会社に期待される存在になることです。さらに一歩進めて、社会に期待される存在を目指すことです。そういう考えを実践できるひとが、人生の選択肢を拡げていけるのでしょう。

プロでなければ生きにくい世の中になってしまってしまいました。人的資本経営はこの課題を解決する企業の答えであり、優秀な人材を集める切り札でもあります。

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2022年10月3日紙版発売
2022年9月30日電子版発売
斎藤昌義 著
A5判/384ページ
定価2,200円(本体2,000円+税10%)
ISBN 978-4-297-13054-1

目次

  • 第1章 コロナ禍が加速した社会の変化とITトレンド
  • 第2章 最新のITトレンドを理解するためのデジタルとITの基本
  • 第3章 ビジネスに変革を迫るデジタル・トランスフォーメーション
  • 第4章 DXを支えるITインフラストラクチャー
  • 第5章 コンピューターの使い方の新しい常識となったクラウド・コンピューティング
  • 第6章 デジタル前提の社会に適応するためのサイバー・セキュリティ
  • 第7章 あらゆるものごとやできごとをデータでつなぐIoTと5G
  • 第8章 複雑化する社会を理解し適応するためのAIとデータ・サイエンス
  • 第9章 圧倒的なスピードが求められる開発と運用
  • 第10章 いま注目しておきたいテクノロジー
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