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2024年に向けて日本企業が押さえておくべきクラウド・コンピューティングのトレンド、ガートナー発表

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ガートナージャパンは2023年11月15日、「」を発表しました。

産業革命クラスの大変化に備えるべく、クラウドのリテラシーを高めて「自分で運転」する企業への変革を加速させることが重要

ガートナーのアナリストは、

クラウドを取り巻く環境は急速に変わりつつあります。業務にデジタルを活用するというレベルを大きく超えた『デジタルを前提とする新しい産業』、すなわち『産業革命』の時代が到来し始めており、そこではクラウドがオプションではなく必須要件となります。すべての企業や組織は、時代の変化やクラウド・コンピューティングの進化に対応し、『クラウドは使えるのか』『クラウドはコストが下がるのか』といった『基本の確認』の継続から脱却し、次のステージに向けてリテラシーを加速度的に高める必要があります。こうした企業は、クラウドの先行企業と比べると既にかなりの周回遅れになっています

とコメントしています。

ガートナーでは、2024年に向けて日本企業が押さえておくべきクラウド・コンピューティングのトレンドを以下のとおり、整理しています。

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出典:ガートナージャパン 2023.11.15

2026年問題

クラウド・コンピューティングというキーワードは、2006年に世の中に登場していますが、2023年現在においても「クラウドはまだ早い」と同じ議論を繰り返しているユーザーが相当数存在しています。また、システム・インテグレーション (SI)、仮想ホスティングとクラウドの違いを未だに理解していないユーザーも散見されます。

クラウドの正しい理解

Gartnerでは、クラウド・コンピューティングを「スケーラブルかつ弾力性のあるITによる能力を、インターネット技術を利用し、サービスとして企業外もしくは企業内の顧客に提供するコンピューティング・スタイル」と定義しています。企業は、この定義を理解し、時代とクラウドに適したITの導入・運用スタイルに変えていく必要があります。

本物のクラウドとは数百ものサービス部品の集合体です。これは、変化対応が可能で、スケーラブルであり、早く導入して運用しながら最適化するなど継続的改善が可能で、かつ情報も価格も透明性が高いものです。企業がクラウドによる真のメリットを得るには、クラウドを正しく理解し、システム・インテグレーターに丸投げせずに「自分で運転」できるエンジニアを自社に増やしていく必要があります。それには、企業とエンジニアの両方に、新しいスキル、マインドセット、スタイルが求められます。

コスト最適化

クラウド化をシステム・インテグレーターに丸投げしている企業や組織において、オンプレミスと比べてコストがまったく下がらない、逆に上がったという声が継続して上がっています。クラウド・インテグレーションは、従来型の手組みによるフルカスタムの要件ファーストのSIとは異なり、ベンダーが作った標準に業務を合わせる「Fit to Standard」のアプローチを原則とし、要件定義は最低限にし、あるものを使う、過度に作りこまないのが前提となります。

クラウド・インテグレーションに当たっては、コストについてもシステム・インテグレーターに丸投げせずに、自分でコスト最適化に取り組む必要があります。2026年までに、クラウドを「自分で運転」し始めている企業の30%は、クラウド関連のコストをオンプレミス時代の10分の1にまで抑制するとGartnerはみています。

ハイブリッド・クラウド/Newオンプレミス/オンプレ回帰

Gartnerは2023年4月に、日本におけるクラウド・コンピューティングの導入状況に関する調査を実施しました。調査からは、SaaS (サービスとしてのソフトウェア) の導入率割合の35%、PaaS (サービスとしてのプラットフォーム) とプライベート・クラウドの25%に続き、IaaS (サービスとしてのインフラストラクチャ) の導入率割合も24%となり、着実にクラウドが浸透している状況が浮き彫りになりました。

同調査では、外部のクラウド・サービスの利用とオンプレミスへの投資意欲についても尋ねました。「これから1~2年かけて、外部のクラウド・サービスの利用とオンプレミスへの投資、どちらにより投資をすると考えていますか」という質問に対して、60%が「外部クラウド」と回答しました。すなわち、外部クラウド・サービスへの投資意欲は引き続き高いと言えます。一方、オンプレミスへの投資意欲も回復傾向にあります。「オンプレミスへより投資する」という人は、2013年に26%でしたが、この数字は年々減少し、2020年に11%まで低下しました。しかしこの年を境にオンプレミスへの投資意欲は戻り調子となり、2023年には18%へと回復しています。

Gartnerは従来型のシンプルなスタックから構成されるオンプレミスではなく、クラウド・ネイティブの要素を取り入れた新しいオンプレミスをNewオンプレミスと呼んでいます。それには、ハイパーコンバージド・インフラストラクチャ (HCI) ベンダーはもとより、ハイパースケーラーが提示しているハイブリッド・ソリューションにおけるオンプレミスも含まれます。

マルチクラウド

マルチクラウドとは、複数のパブリック・クラウド・プロバイダーが提供するクラウド・サービスを意図的に使用することを指します。2023年現在、マルチクラウドは6つのタイプ (計画的マルチクラウド、自然発生的マルチクラウド、発展的マルチクラウド、先端的マルチクラウド、戦略的マルチクラウド、分散マルチクラウド) に分類できます。マルチクラウドは、クラウド・プロバイダーによるロックインのリスクを低減する可能性が期待されており、特定のユースケースに最適な機能を提供するほか、俊敏性、スケーラビリティ、および弾力性というクラウドのコア・メリットに加えて、サービスの復元力と移行の機会をもたらします。

サービス・ファクトリ

サービス・ファクトリは、クラウド・ネイティブを中心とする多様なテクノロジや方法論を包括し、アプリケーションやインフラをサービスとして提供するための、いわゆる「サービス・デリバリ」フレームワークです。サービス・ファクトリに含まれるテクノロジや方法論には、クラウド・ネイティブ、DevOps、継続的インテグレーション/継続的デリバリ (CI/CD)、コードとしてのインフラストラクチャ (IaC)、サイト・リライアビリティ・エンジニアリング (SRE)、可観測性といったさまざまなものがあり、ここ数年で、これらのキーワードは注目を集めています。これらのキーワードは散在していることから、全体として何を目指そうとしているのかが把握しづらくなっています。企業は、サービス・ファクトリを新たなビジネスの基盤として捉え、自動化を積極的に進めることで、ビジネスを段階的にスケールできるようになります。

生成AI

2023年、生成AIを巡るハイプが加速し、現在、多くの企業が生成AIを積極的に試行・実験し始めています。大規模AIスーパーコンピュータの開発や大規模言語モデル (LLM) 開発用途、自社データへの生成AI機能の組み込みなど、クラウド・コンピューティングにおける取り組みも進化しています。

ハイパースケーラーのトレンド

AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどのハイパースケーラーは、さまざまなイノベーションを行っており、取り組みを加速させています。一方、ハイパースケーラーによってその取り組み姿勢には差がある状況です。2024年は、日本でもハイパースケーラーによるサービスの導入事例がさらに増えていくでしょう。企業は、ハイパースケーラー各社の戦略や取り組みの違いなどのトレンドを引き続き注目すべきです。

ソブリン・クラウド

国内外のデータ保護やプライバシー関連規制の強化、地政学的リスクの高まり、サイバーセキュリティ・リスクの急増、経済安全保障や産業政策を背景に、外国が所有・運営するクラウド・サービスにホストされるデータ、インフラ、運用のソブランティ (主権) に対する懸念が高まっています。

日本では、デジタル化の加速に向けて政府が米国ハイパースケーラーを採用する一方、国内産業育成やデジタル主権の在り方についても議論されています。データ・レジデンシ要件とクラウド運営の自律性を満たした管轄区域内で提供されるクラウド・サービスであるソブリン・クラウドは、ハイパースケーラー各社もその取り組みを強化しています。今後も各社の取り組みや各国政府の規制の強化などの動向を継続的に注視していく必要があります。

クラウド人材・組織

2030年に向けて、テクノロジを駆使できる企業とそうでない企業の二極化が進みます。テクノロジを駆使できる企業に進化していくには、生成AIなどのスーパーパワー (想像を絶するテクノロジ) を駆使できる実行力を獲得する必要があり、そのためには新たなテクノロジ人材が重要になります。

産業革命とも言えるフルデジタルの時代に向けて、企業はテクノロジとの向き合い方を見直し、個人や組織としてのスキル、マインドセット、スタイルを変革させるとともに、People-Centric (人間中心) の観点から従業員を大事にし、彼らが元気に活躍できる環境と整え、企業として進化していく必要があります。

クラウド戦略

クラウドはサービス部品の集合体であり、「自分で運転」することで、ビジネス効果を最大化できる可能性があるテクノロジです。クラウド戦略の推進には、ユーザー企業が自らクラウドを使いこなせるスキル、マインドセット、スタイルを高めた人材が、テクノロジを駆使して、新しいビジネス・アーキテクチャの構築や次世代サービス・ファクトリを実践して、ビジネスをスケールさせることが重要です。それにはテクノロジの観点だけでなく、人材への投資を含めた戦略も含めたロードマップの策定が必要です。

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